物語(4):65歳からアートを造る/結局、何を制作するか?
それらのアイデアの内、ぼくとして最も魅力的だったのは、カフカの自動処刑装置の制作で、先生と話をした時は、まあ、じゃあ、それで行こう、と言う事になったのでした。
しかし、その後、ちょっと考えると、余りに難しく、最初に手掛けるには無茶だ、と思い始め、2番手の、地面が回り、その上で動く電車が同速度で反対周りに走って、電車はまるで止まって見える、というアイデア(仮名、頂上の街)方がよっぽど実現可能だ、と結論付け、先生には、その旨報告しました。
上記のアイデアですね。考え方はシンプルですが、見た目も、カッコ良いのではないか、とも思いました。
そうして、木材を買ってきて、円形に切り取ったり、DC/AC変換機とか、モーターとか配線とかはんだ付けとか、鉄道系の線路、電車、コントロール機、購入とかを経て、完成したのですが、完成する前に講座は終了し、家に完成したモノが残りました。
さて、これをどうしようか?
これで、全体の円筒形の部分は右回りで回り、円筒形の上部の平らな場所に設置された線路の上を電車が反対周りに同速度で走る、従って、電車の位置は変わらない、と言う次第です。
もちろん、それがどうした、とも言えるのですが、一種の世のふしぎ、とも言えます。電車はどこにも行けない。
やはり、どこかで評価が欲しいと思いました。ダメもとで、どこかのコンテストに応募したいなぁ、と。
<つづく>