<つづき2>カスヤの森の現代美術館へ行く|65歳からアートを造る(今77歳)
カスヤの森の美術館のひっそりとした2階の「Joseph Beuys ヨーゼフ・ボイス」の部屋へ上がる。
ボイスの有名なコスチューム、フィッシャーマンズ・ジャケットと白いシャツとフェルトの山高帽子、いつでも、どこでも、このスタイルである、カッコイー。
以下が、展示物とその説明?です。
例えば、3、汚染されたラインの水、6、音のしない黒板消し・・・・
例えば、12・13、「直接民主主義の為のバラ」=ボイスは対話する時、間に1輪の赤いバラを立てた。18、「経済の価値:精製蜂蜜」・・・
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いずれにせよ、ボイスのここまでの活動、考え方など知らないと意味不明である。知っていても、これらの小物を見るだけでは、何らかの感慨は出て来ないだろう。
1984年の来日時、スーパーなロック・シンガー並みの大歓迎を受け、嵐のように去って行ったボイス、アメリカへ着いた途端に担架に乗せられ目隠しして救急車に乗り、そのままコヨーテ(真のアメリカ)のいる檻に入り、1週間コヨーテと暮らし、帰りも、同様に担架にのり救急車で、一目も一般のアメリカを見ずに、飛行機で帰って行った、驚異のパフォーマンス、死んだウサギに絵を説明するパフォーマンス、停車場の塔をそのまま美術館に持ってくる作品、ホームレスが毎夜寝ていたビル裏の非常階段の空間を脂肪で埋め尽くし、その巨大な作品を美術館の入口を壊してまで展示する、などの話を知らなければ、この小物から立ち上る仄かな臭いも感じるのは無理だろう。
(せめて、コヨーテなどのパフォーマンスのビデオでも流れていれば良いのだが、著作権問題かも。)
<コヨーテのパフォーマンスYouTube https://www.youtube.com/watch?v=r9NWCOF0c5M >
つまり、ボイスが生きていた頃と違って、「ボイスの場」が存在しないのである、この狭い空間でも、可能ならばビデオなど駆使して、ボイスの全体を浮かばせる、「ボイスの場」を作って欲しい気がする。その場の中での小物展示は可能だと思うのだが・・・。
しかし、ボイスを扱っている事自身が偉大だ。
<つづく>