アルバート・アイラーが突然出現する驚き
アルバート・アイラーと言うジャズメンは、ジャズファン以外では余り知られていないと思う。そして、ジャズファンも、ちょっと奇妙な愛着を感じている人が多い気がします。
いわゆるフリージャズと言われる分野で活躍し、コルトレーンを尊敬し、コルトレーンの葬式ではその死を悼んでサックスを演奏しいる。若くして(34歳)ニューヨークのイースト川に死体として浮かび、他殺だろうと言われています。
BGMには絶対になれない音楽ながら、懐かしい感じのする旋律がベースにあったり、ちょっとフリーにしても心に入り込んでくるような、音楽です。
私のiPodからイヤホンでは良く流れますが、世間ではあまり聞こえてくる事はありません。
もう、随分前ですが菊地成孔の本の題名にちょっとショックを受けました、「東京大学のアルバートアイラー」・・・・敵の目論見どおりに、何だ----?と思ったのでした、ちょっと覚えていないのですが、その本にはアイラーが出てこなかった記憶があります。「東京大学のマイルスデイヴィス」よりも「東京大学のコルトレーン」よりも飛びぬけてインパクトがあります。
2度目のショックは、あの長い青山真治の映画「ユリイカ」を見ていたとき、丁度まんなかのあたり、家を皆で出てゆくときお兄ちゃん?が聞いていた音楽、私もこのアルバートアイラーの衝撃的な音楽に脈絡もなくショックを感じたのです。
そして、3度目は、ある日、夕刻、明大前マイルスの開店時刻ころ、階段を上ってゆくと、このマイルスでは決してかからない、フリー系のジャズがかかっている、アルバートアイラーだ、「どうしたんですか。」といいながらフロアに着くとそこには常連の一人がニヤニヤしながら、「ちょっとみんなの迷惑にならない時にききたくて、お願いしたのです。」と、LPを持ち込んだらしい。
なぜ今アルバートアイラーを持ち出してくるかと言うと、えーっと忘れてしまった、のですが、何時までも気持ちのコアにまとわり付いて離れない音なのかも。
<本日の教訓>突然、伏していたものが突出するのはかっこ良い。
(最近ジム・ジャームッシュの処女作「パーマネント・ヴァケーション」を見ていると、アパートの一室で、チャーリーパーカーの音楽を安っぽいポータブルプレイヤーにかけて、主人公が一生懸命踊るのだが、それが無茶にかっこ良かった。音楽もすごいが・・・。こんなに凄かったっけ?と。)