イラストレーターをやめた横尾忠則は画家として何の絵を描こうとしたか?|65歳からアートをつくる
ふと、気が付いた。横尾忠則は、ピカソの展示会でピカソを感じ、イラストレーターをやめて画家になると決心したのだが、きっとそこで、一体何の絵を描こうか?と悩んだに違いない、それは、私が、インスタレーションをやめて、絵を描こうとして、一体何を書けば良いのか?と悩んだ状態と同じであったのではないか、と気づいた。横尾忠則と私を並列で考えるのは余りに僭越だが、状況としては同じようなものだ、と思ったのである。
そこで、今度は横尾忠則の本を借りて来た。読んでみると、やはり横尾も悩んだ、何を描いたら良いのかわからないのだ。取りあえず、彼は、ピカソの絵の主題が毎日の日記のようである、と言う事から、日記を書くように絵を描き始めた、そしてそれはすぐ、何でも描いて良いのだ、となり、様々な描き方で、様々な主題で、精神分裂かと周囲から言われるほどに多様な絵を描き始めたそうである。
なるほど、横尾忠則にしても何を描いてよいのかわからないなら、私が何を描いたら良いのか悩むのは当たり前だ、取りあえず、何でも描くか、その内何か定まってくるかもしれず、定まらなければそのまま続ければ良い、のだろう。