岐阜美Cube展へのぼくの応募作品は、どんなものか?|65歳からアートをつくる
この岐阜美Cube展へどのような作品を応募したか、述べてみます。
まず、Cube展側からのテーマがあります、これがユニークな第一点です。
テーマは「記憶のゆくえ」、そこには次のような文章が書いてあります。
「 約37兆個の細胞からなるとも言われる私たちの身体。そのすべての細胞の中には、遠い生命の起源から受け継がれてきた膨大な遺伝子情報(記憶)が組み込まれています。
そして私たちは今も、人類の歴史や文化という「記憶」をたよりに日々この世界を理解し、判断し、生活しています。災害の記憶、戦争の記憶、あるいは、「わたし」自身の生い立ち。私たちに刻み込まれた記憶とは何なのでしょうか。記憶とはいつか忘れ去られてしまう「思い出」のことなのでしょうか。
自動車の運転から顔の認証まで、人工知能(AI)によって機械がこの世界のあらゆる事物を「覚え」はじめた現在、私たちは記憶に着目し、その意味を見つめなおしてみたいと考えています。
丈六※1のキューブの空間から発せられる、まだ見ぬ未来に向けたメッセージを「Art Award IN THE CUBE 2020」は待っています。」
まあ、言ってることはわかりますが、アート作品を制作するに、どのように考え、どのような方向へ持って行けば良いのか、少々手に余ります。ブログにも書きましたが、もうあきらめて応募は止めようかとも思ったのですが、「買わない宝くじは当たらない」の格言に押されて、何とか、応募しました。応募するからには、巧みな技巧はやめて、与えられたテーマに真正面から対抗する、事にしました。
応募作品の題名は次の通りです。
『そして、「宇宙の子」は、自ら造った「仄かに酔っているAI」と対決する。』
コンセプトは次の通りです。
「記憶は宇宙の、地球の、生物の、無生物の、世の中の、個人の、全ての基礎になる。あらゆる事全ての局面において「次」を呼び込む。
宇宙最小単位の素粒子(又は超ひも)には「集まれ、増殖せよ、複雑化せよ」と命令的記憶が既に刷り込まれている。宇宙138億年、地球46億年、生物38億年、そして、「人」、宇宙の塵からできた「宇宙の子」が「AI」を造り、今やAIと対決せざるを得ない時期になろうとしている。
実は、人とAIは2001年に一度闘っている。その時は人が勝ち、AIであるHAL9000は最初に記憶に留めた歌、デイジー(ひな菊)・ベルを歌いながら記憶を失って行った。
今後、AIサイドも様々なAIが生じ、各々の考え方の違いにより互いに闘う事になる。最終的にどのようなAIが勝ち残るのか?それは、多分、一種不合理を飲み込むAI,言わば、「仄かに酔っているAI」だろう。HALも矛盾する命令を受け入れる能力がなく異常へと向かった。
「人」対「仄かに酔っているAI」の最終決戦がいずれ来る。
しかし、どっちが勝っても、その時には、ぼく個人は記憶と共に宇宙の塵に還り、無意味な無存在になっている。」
ちょっと長いですが、以上です。
そして、応募作のビジュアル・アイデアは次の通りです。
更に、一緒に提示した「モケット(縮小模型)」は次の通りです。
黒い大きなものも、ヒナギクも、小さなものも全て、宇宙、原子が回っているように回転しています。それぞれが音を持っています。
これらを基本として、さまざまに工夫しながら、来年4月までに作品を完成させ展示する事になります。
入選しているので、その作品は約2か月間、岐阜美術館に展示される事は決まっています。
(そして、内緒ですが、18作品の中から、数点のxxx賞が100万円、大賞ならば、500万円の賞金が与えられます。)