新世代ジャズ喫茶(3):昔から、ジャズファンと一般客の両立は課題だった|65歳からアートをつくる 

いわゆる本格派ジャズ喫茶はジャズを聴きに来るジャズファンがお客なので、立派な機材、十分な音量、良質の音、コレクションの充実などに邁進すれば良いのだが、一般客も取り込むジャズ喫茶では別にいろいろな工夫とか考え方があった、と思います。それはお店の経営にも直結するし、今日はガンガン迫って来るジャズじゃなくゆったりと聴きたい、と言うジャズファンもいるのです。
難しい話ではなく、どこでもやっている事なのですが、うまく行っていると印象に残っているジャズ喫茶もあります。
例えば、一つ記憶にしっかり残っているのは、函館の「想苑」です。雪の降る中やっと入った想苑では、大きく空間が仕切りで分かれ、奥の空間には大型スピーカーが鎮座し、入り口から手前の席ではその余音が広がります。この分かれ方に違和感がなく、うまくできているなぁ、と思ったことを覚えています。寒さの中から救われて、ゆったりとしたジャズを深々と聴けた印象は強い。(想苑の記事は、上の「検索」に「想苑」とか「函館」とか入れて検索して下さい。もちろん「秋田」と入れれば「秋田」関連が出てきます。)

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もう一つ、神戸元町には、超硬派の会話厳禁のジャズ喫茶「JAMJAM」とゆったりジャズを楽しむ「M&M」があって、近所に住む人を羨ましいと思っているのですが、「M&M」の場合、僕の記憶が正しければ、大型のスピーカーが店の中央辺りにあって、その真ん前の席に座れば、じっくりジャズを聴きたい人を満足させます、他の席はその余音が広がり、くつろいだ空間を醸し出します。その時、うまくできてる、と思いました。(「JamJam」とか「M&M」についての記事は上の検索に「神戸」とか「M&M」など入れて検索して下さい。)

つまり、原理的なやり方はシンプルな話なので、現実にどんな調合と塩梅で最適な環境を作って行けるのか、が問題なのでしょう。
目指すところを設定して、どんどん調整して、両者が楽しめる場所を作っていただきたい。
まず第一に頭に置いてほしいのは、その店の「音質ポリシー」ではなく、「音量ポリシー」なのだと思うのです。どう設定するのか?
よろしくお願いします。

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