岐阜県美術館では、Cube展が開催されています、私の作品の紹介をします(1) |65歳からアートをつくる
展示会の正式名称は、「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2020」です。今回が第2回目、3年ごとに行うというトリエンナーレですね。会期は7月5日まで、入場無料です。18人(チーム)が入選作で、各入選者に制作支援金として50万円が支給されました。大賞の賞金が500万円と言う破格なものです。
ただ、コロナのため、審査が遅れていて、まだ決定されていません。6月中旬くらいには行われるらしい、です。
主催者の提供する四角い箱の中に作品を制作する、テーマは「記憶のゆくえ」、そのテーマに従って作った私の作品の題名は《そして、「宇宙の子」は、自ら造った「仄かに酔っているAI」と対決する。》です、ちょっと長い。
まずは、美術館の外から、
そうして、わたしのCubeです、外観。幅は約4.8m、高さは約3.6m、奥行きも約4.8m。
暖簾が作られていて、その左には、作品のコンセプトなどを表したマンガ(A5表裏)のパンフが台の上に載せられています。
そして中に入ります。記憶のゆくえは、① 宇宙始原の記憶 ② 人と、人が作った別の記憶主体AI ③ 個人の記憶=思い出、の3種について考えます。
①宇宙始原の記憶:入った左の壁には、「記憶のゆくえ」ながら、始原の宇宙の生成での最小粒子の記憶を述べます。宇宙の大きさは、10の-31乗mmから、インフレーションで3mmになり、続くビッグバンで3kmになり、38万年後には大きさは1000万光年になっています。宇宙始原の粒子の記憶は何かしら刷り込まれた、「集まれ」「増殖せよ」「複雑化せよ」に従い、まだまだそのゆくえはわかりません、と言うか、何の論理もなく、宇宙がある限り生き続けるでしょう。
②そうして、人と人が造ったAIのステージへ:入ると、正面左に黒い大きなもの、「人」です、上半身が水平に回転しています(あいにく、世に良くあることですが、何かが不調で回りません)、そして何かしら、緑の双葉のようなもの、灰色の雲、続いて、ひな菊、手前には個人の記憶の物語が立っています。ひな菊は、20年前、人とAIが闘い、AIであるHAL9000が敗れて、生まれて最初に覚えた歌、デイジー(ひな菊)・ベルを歌いながら全ての記憶を失っていった、と言うエピソードを象徴しています(映画「2001年宇宙の旅」に記録されています)
そして右の壁へ、バックは青く塗られています。白い雲と黄色の何かしらの生物、らしい。
今のところ、この黄色い生物が何者なのかわかりません、私にも。
ただ、もう少し経つと、何かが分かってくる気がします。
そうしてAIへ行く前に、個人の記憶=思い出、に触れてみます。
私の思い出、左の集合写真、家族とお店の店員さん、私は父親の膝の上にいます、そして、右の写真、私以外は全て白い顔になり、今生き残っているのは私だけ、です。私が去れば、この写真の意味が分かる人はもはやいなくなります。
<続く>