激しい風雨の中、オペラシティの「トム・サックス」へ、最後はジャズ「ペペロンチーノ」へ(2)トム・サックスには脱帽だ|定年後65歳からアートをつくる
渋谷の映画の後、この際そのまま、どうしても見なければならない展覧会、初台のオペラシティ・ギャラリーの「トム・サックス、ティー・セレモニー」へ行くことにしました。なぜ、見なければならないか、新聞などの紹介で魅力的であったのは当然ですが、ひょっとしたら、ぼくの本来目指していた方向を大胆に、ち密に、高次元で実現しつつあるのではないか、と感じたからです。
ぼくの生涯最初の作品から、大工センターの材料ばかりだし、タロウ賞に入選した時のコメントで自分の作り方を「プリコラージュ的に、辺りにあるものを使ってカジュアルに、ちょっとルーズに進める。」と言ったように、プリコラージュ、手近な材料で作って行く方法、サックスの作品は、そのものと感じた。
正に、殆どが、大工センターで買える材料で、自由自在に加工し、既製品を加工したり、イメージ豊かに素晴らしい作品になっているように見えた。そして、それは本当に素晴らしい。
何とも奇怪に組み合わされた、椅子の足と兜とヘッドフォンとホウキと??、全体,誠に魅力的です。
松の樹ですが、綿棒と歯ブラシとプラスティックの導管で見事に作っている。つなぎは容赦なく金具で直に留めている。
このチープな作品、上の球はテニスボールを焦がしたようなもの、ブリキの導管、波板、ベニヤ板などなど、でこんな趣のある作品へ。
このプラダン(プラスティック・ダンボール)の細かな切込みと造形と留め金が表情をあらわにする。
工事現場の材料の美しさ、それにニュアンスをつける技術と感性、ため息がでてしまう、のです。
何とも、キリがないので取りあえず終わりますが、このカジュアルな、身近な材料のみで、作り上げる、奇妙で、ニュアンスに富んだ、素晴らしさを見逃してはなりません、でしょう。
ぼくも初心に戻って、そもそも、どんなものを作りたかったのか、思い起こします。
取りあえず眼の前の机でつくったプリコラージュ、「二匹のうさぎ(仮題)」、色の塗られていないうさぎフィギュア(中野ブロードウェイで買った)と、それに似せて切ったダンボールのうさぎ、近くにあったL字金具と木切れを接着し、ダンボールの板の上に、置いてみました。かなり調子に乗っていますが、まあ、寛容に。
ついでに、この日は暴風雨の日だったので、10年ぶりに着たレインコートの自画像もプラスです。
渋谷駅前から、オペラシティへバスに乗りました。(バスの中)