山形のジャズ喫茶 Octet オクテット

Octet オクテット
山形県山形市幸町5-8
1971年開店
023-642-3805
1100-2200

ドアの前に立つと、右手に「船便でジャズが来る」と書いています。これは何だろう?
大昔、日本の店頭でアメリカの最新のジャズのレコードを買うのではなく、直接買い付けて、輸入して、最短で最新のジャズを聴かせていました、という意味なのでしょう。
しかも、船便、というのがすごい。当時の迫力が伝わってきますね。
右下の看板「船便」を見てください。

何と言うジャズ喫茶らしいジャズ喫茶だろう。そのまま残っていただいている感じです。
ちょうどランチタイムの頃だったので、混んでいたら嫌だな、と思いながら入ります。
混んではなく、3人くらいのお客さんが、ゆったりと新聞などを読んでいる。
昔からそのままの風景らしい。いいですね。

ベンチに腰掛ける。
マスターが、何か如何にも嬉しそうな顔で水を運んでくる、当方も、何かニコニコっとしてマスターを見る。このマスターの嬉しそうな顔は、「遠くから来たジャズファンですよね。」と語りかけているに違いない。私のニコニコは当然、「実はそうなんです。」という返答です。
ビールをたのんで、しばらくして、マスターが話しかけてきた。
「どこからですか。」
「東京からです。ぐるっと回っているんです。」
そして、これまでの話をする。
「ダンテは閉店したみたいです。」
「おかしいなぁ、前にジャズ祭の資料を送ったけど帰ってはこなかったけれど・・」
「秋田はどこに行きました?」
「ミカだけで、秋田市のジャズ喫茶は行かないで、南下してしまいました。」
「ロンドは昔からあるところですけどね。マスターは映像に入っていって、LPなどはその資金で売ってしまったみたいです。」
ロンドのマスター話は喫茶ミカでも出てきた、有名人らしい。
ぼやけているけれど、真ん中の油絵は楽しい。

いろいろ事情通のようで、東北のジャズ、或いはジャズ喫茶について盛り上げようと努力している人のように見える。
数年前、区画の関係か、で店が5mほど移動したそうで、その時は廃業しようかと思ったそうですが、協力もあり踏みとどまり、そのまま店が移動したそうです(トイレは新しくなった)。
しばらくして、次の都合もあり、お店を出ようとした頃、かなり激しい前衛ジャズがかかった、「山下洋輔とxxxx(?)」の組み合わせで、山下洋輔も随分若い頃のようで、全くの前衛風、その時入ってきた純真なお客さんにはかわいそうだった。
マスターにお礼を言って、離れました。
一歩も引かないジャズ喫茶が生き残っていました。マスターもその一歩も引かないところにこだわっている様で、苦しいけれど、頑張る、感じです。
心から、ご健闘をお祈りしました。
(2007年9月8日訪問)

山形のジャズ喫茶 Octet オクテット” に対して1件のコメントがあります。

  1. ライヴ・イン・ハトヤ

    噂には聞いていましたが、今回初めて拝聴する事が出来ました。いやぁ、凄いですね!最高の名盤(迷盤!)です!!口上でのタモリさんもメチャクチャ、暴言のオン・パレードです!構成についてはショックでした。“こういうアルバムもあるんだなぁ…”と衝撃を受けました。ギャ

  2. ジャズ喫茶 Octet オクテット

    山形市のジャズ喫茶Octetオクテット、60歳からのジャズ喫茶行脚をされている方が紹介されていました。マスターが、何か如何にも嬉しそうな顔で水を運んでくる、当方も、何かニコニコっとしてマスターを見る。このマスターの嬉しそうな顔は、「遠くから来たジャズ

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