「ジェンネ」から「バンディアガラ」へ 5日目(1)|ドゴン族の村へ、自然と文化のダブル世界遺産の村へ

朝早く、私たちは起き出して、ブッシュタクシーが待つ場所に急ぐ。昨夜中に、アダマが、予約していた、らしい。
私たちが乗り込むと殆ど直ぐに出発だった。この何となく気に入ったジェンネの街にもおさらばである。

この悠々たるバニ川ともちょっとお別れ。

そうして、元来たフェリーへ。

同じフェリー。

今日は、ジェンネから、来た道を引き返し、分かれ道の交差点を左に曲がり、モプティの近くのセヴァレで乗換え、何とかドゴンの入り口、バンディアガラまで、到着する予定である。約180km。そうして、明日は、待望のドゴン・カントリーへ入り込むのである。

ブルーの線が経路です。モプティの直ぐ近くのセヴァレで乗り換えて、バンディアガラへ向う。

今日は、このブッシュタクシーでセヴァレまで行き、そこで乗り換えてバンディアガラへと、二台のブッシュタクシーを使うという荒業である。
ブッシュ・タクシーは順調に進む、次の乗換えがうまく行くかは不安だが、とりあえず、セヴァレまでは何とか順調らしい、・・・と思ったのは甘かった。

かなりのメイン道路を通行中、車は突然そのメイン道路から左へはずれ、土漠の中に入り込み、細い、舗装されていない、しかし確かにある細道をたどり始めたのだ。
何だこれは、と思いながらも、まあいろいろやり方があるのだろう、とか、近道かな、とか思っていたのだが、そのまま小さな部落を数個通り過ぎながら、約30分くらいで、元のメイン道路に帰ったのだった。

「ふーん、やはり近道なのかな。」と思っていたら、突然パトカーに追いかけられ、道路の端に停止を命ぜられた。
そうして、警官と運転手は何やら大声でわめきあい、どうやら問題が生じたらしい。
私も、車から降りて、アダマに聞いた「何が起こったのだ?」
「どうもこの運転手が通行税を払う関門を迂回して、税金逃れをしようとして、捕まったようだ。警官は、元の場所に戻れ、と言っている。」
つまり、あの近道というのは、関門を逃れるためだったのだ。道路には、いろいろ関所があって、税金、か、警察への献金か、小遣い稼ぎか、わからないが、払うシステムなのだ。

アダマは、屋根の上の我々の荷物を降ろしながら、「警官は強行で、元の場所まで帰れ、と主張している。もう直ぐなのに、そんなのに付き合っていたらたまらないので、降りて、別の車か何かを探そう。」と、荷物を持って、我々二人は歩き始める。

そこに、杖をついた老人が、車が止まっている道端に沿ってある人家から出てきて、警官に何かを言い始めた。アダマは、歩き始めるのを止め、様子を見ている。
老人は落ち着き払って、警官と話しをしている。しばらくして、話が終わったらしく、老人は、悠々とそのまま家に入らず道路を歩き始めた、散歩でもするように・・・。
アダマは、荷物を元の屋根の上に返すように言って、再び車に乗り込むように、と言う。
そして、車は走り始める。

「一体、あの老人は何者で、何があったのか?」
「老人は、警官に対し、元に戻るのはお客がいるので迷惑だから、罰金だけで許してやるように交渉したのだ。この国では年寄りの言うことを無下に否定することはできないので、最終的に、罰金だけで許した、と言うわけだ。あの老人は若いころやはりタクシーの運転手をしていたようだ。」との事。
「お礼しなくて良いのか。」
「礼は不要、と言っている。」
悠々と歩く老人はかっこ良い。
そして、再出発。追い越すときにちらっと歩く老人を見たが、我々のバスは一顧だにせず、まっすぐ前を見て、悠々と散歩を楽しんでいる、ように見えた。

それから結構早く、セヴァレに到着した。そんなに遠くでトラぶったわけではなかった、が、歩くと大変だった、はずです。

 

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