村上春樹1Q84をようやく読み終えて・・・音楽2題 (追記)

 図書館で予約していた1Q84の第三巻がようやく回って来て、一、二巻からかなり時間が経ちましたが、楽しみながら読み終えました。

予約時、約40人が前にいた。
本が5-6冊あったので、大体この本は6人くらいを経て私のところに来た計算です。


ひとつ、ものすごくおもしろい文章があって、思わずあははと笑ってしまいました。
こんな文章です。
「・・今はもう二十世紀も終わりに近いんだ。チェーホフの生きていた時代とは何かと事情が違う。馬車も走っていないいし、コルセットをつけたご婦人もいない。世界はナチズムと原爆と現代音楽を通過しつつも、何とか生き延びてきた。その間に小説の作法だってずいぶんと変化した。気にする事はない。」(ページ 534)
世界をひどいものにした3つのものの中に、ナチズムと原爆とそして「現代音楽」が入っている。これが、村上春樹の感覚だ、もちろん冗談込みで。
でも、何となく、私にはよく分かる。現代音楽の何とも言えないハチャメチャな破壊力とある種の音楽に見られる超退屈さ、人類の美的感覚に挑戦するかのような快感否定の音と音列、などを意味していると思う。
私は実は意味もなく現代音楽が好きなのです。系統的に聞いているわけではなく、その辺を適当にかじりまわっているだけですが、何か魅力がある、超退屈なものもあるし、最近は美しいものも多いし、でも、一番好きなのは、と言うか、おもしろいのは、初期のエレクトリック音楽です。

新しい可能性を与えられえ、未知の水平線を目指して、悪戦苦闘、試行錯誤の真っ只中で、必死に全能力を傾けて、さまざまな方向に、さまざまなやり方を駆使して、前進する、そのエネルギーと試行錯誤がたまらなく魅力的です。
(ゲームのファミコン時代と同じ気がします。稚拙なのにいまだ魅力を振りまいているファミコンが同じような状況にいたのだろうと思います。)
村上氏はおもしろい。

二つ目は、第三巻ではなく、第二巻にでてきたのですが、「ダウランド」と言う名前がでてきます。読み飛ばしたので、どのような文脈で出てきたのか忘れましたが、この「ダウランド」という古音楽の作曲家の音楽は私の大好きなもので、その落ち着いた、心落ち着く、確か16世紀の作曲家の音楽なのですが、すごいのです。「ダウランド、ラ・メルク(だったか?=
ラクリメでした、382ページ)」なんど聞いても聞き飽きない。
村上氏はするどい。

<本日周りに散らばっている本・雑誌>エレファンタム、思考する豚、トルストイ全集10後期作品集、日本酒案内、地球の歩き方モロッコ、週刊ラサーン:ローランド・カークの謎、モンキービジネス創刊号、ソトコト Sep.2009:植物愛、BeーPal12月号、西岡兄妹:花屋の娘・死んでしまったぼくの見た夢、iPadでできる7つのこと、iPadでつくる「究極の電子書斎」、手作り帆布カバンの作り方、かんたんホームページ・ビルダーV8、電子書籍の作り方ハンドブック、iPadすいすい仕事術、

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